へそ
へそは生理学的にいっても人間の身体のシンボルですし、健身気功の練功でも重要な役割を担っています。
例えば、「易筋経」の≪三盤落地式≫で『晦』(ハイ)と発音して呼吸吐納(濁気を吐き、清い気を吸い込む)しますが、へそを中心に行います。
「八段錦」第三式≪調理脾胃需単挙≫で片手を上に、もう一方の片手を下に開いたり、お腹の前で両手を抱えて合わせたりするのもへそを中心とします。
「五禽戯」の≪熊運≫もへそを中心としてへその周りのお腹をマッサージするように両手を動かします。
「六字訣」は全ての動作がへそを核心として行います。本にも丹田では無く、へそと書いているのは場所が特定しやすいからだそうです。
また、健身気功の挨拶もへその上に両手を重ねてお辞儀をします。
このようにへそは健身気功の練功などにおいてもとても重要な役割と場所であることがわかります。
中医伝統理論によると胎児はへそで母体とつながっていますが、へその緒が切られた後、少しの真気(人体生命活動の最も基本的で核となるもの)がへそに残されます。
へそは、五臓の中の脾に属し、脾は太陰(大きな大きな陰)に分類されます。陰陽学説によると究極の陰である太陰のところには純粋な陽があります。最も冷たい、最も陰のところには最も陽である究極の陽の真気があります。
だから私たちはへそを気功の練功の核心とするのです。練功の重点とするだけでなく、他の身体の部位に比べて最も安全な場所でもあります。
例えば夏に身体の頑強な男性であっても午後昼寝をする時、へその上を何かで覆っていなければなりません。身体の他の部分は覆われていなくても、へその部分は冷たさが苦手なので、何かで覆います。ここは真気が蓄積されるからです。
私たちが気功を練習する時、意守丹田と言いますが、意守黄庭(黄庭 道教経典で脾臓のシンボル)と言ってもいいのです。いずれもへそのあるお腹の空洞のこの部分は身体の中心であり、気功の練習の中心、核心となるのです。
何気なく練功を行っていましたが、へそも奥が深いですね。
(WeChat 国際健身気功連合会 張明亮老師 健身気功小彩蛋参照)