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気功のはなし

気功を身近に取り入れましょう!

太極拳の身法の5つの基本要項


太極拳を学ぶ上で身法の学習はとても重要です。身法の中でも主要な5つの要項、「松肩」、「沈肘」、「含胸」、「抜背」、「裹裆」をご紹介します。

 


1.「松肩」(肩のゆるみ)

 肩、肘、手首は連動しているので、肩関節が緩むと全身の力が手に集中します。肩の力が抜けていないと、手の感覚が鈍くなり、ロボットのような太極拳になってしまいます。両肩が緩んでいて、微塵も力が入っていないことが大切です。

 


2.「沈肘」(肘を沈める)

肘を沈めるのは、全身の力を手に集中させるためです。肩を緩めると気が肘へ、肘を沈めると気が手に、さらに手の掌から指先へ気が到達します。「沈肘」の練習方法は、肘の先端が地面に触れているような意識で、腕や手が動く感覚を持つようにすることだそうです。

3.「含胸」(胸を含む)

 「含胸」には一般的に2つの役割があります。

1つ目は、気が上に上がり浮いたようにならず、丹田に気を沈め、身体の各所に気を運べるようにすることです。

2つ目は2本の脚の上げ下げや前進後退の動きを補助し、ブレがないように安定性を高めることです。「脚の変化は胸にあり」という諺がありますが、これは「含胸」の作用によるものです。

「含胸」の練習では、胸が凸にならず、また内側に凹みすぎず、肩をやや前方に寄せながら、下方に緩めるように注意します。「含胸」をマスターするには、胸の乳頭からへその下まで気を沈めるように意識すると良いそです。



4.「抜背」(背を抜く)

      「抜背」の目的は、頭を下げたり腰を曲げたりする現象を防ぐためです。次に、「抜背」とは力の発生にも関与し、両肩の真ん中にある脊椎骨(つまり大椎)が膨らむことをイメージすることです。ただし、意識して上に引かないこと、両肩を柔軟にすること、頭を下げないことが大切です。「抜背」をマスターするには、背骨の上の方の骨(大椎)の辺り10平方センチメートル程度の面積を着ている服に付けるようにイメージすると良いそうです。


5.「裹裆」(中国語読みグオーダン)(股を包むようにする)(すみません、上手く日本語にできません)

  「裹裆」は体を軽快にし、肛門の括約筋を収縮させることができるので、気を沈めつつ分散させないという役割を果たすことができます。2つの太ももを内側に回転させ、2つの大腿骨を外側に開き腰を水平に支え、膝と股の間に丸い弧を描くようにします。過剰な注意を払うと、かえって丸みを帯びないようになってしまいます。

 

 

股を緩めることで尾骨が前下がりになり重心が下がり股関節の筋肉も緩んで身体の安定性が高まります。また、頭、肩、背中、腰を自然に立てた姿勢を保つことができます。下半身と上半身がつながり、足から始まる力が上半身に伝わり、上下を流れる役割が果たされるのです。

 

気功にとっても大事な要項ですね。当たり前のことかもしれませんが、無意識のうちに異なったことを行ってしまっているかもしれません。時々思い出して確認しながら練功を積み重ねたいと思います。

いつもお忙しい中、このような教えをご教示くださるY大先生に感謝したいと思います。