五労七傷
国際健身気功連合会のWeChatの健身気功小彩蛋の中で「五労七傷」のお話がありました。
「五労」は、心臓、肝臓、脾臓、肺、腎臓の五臓の過労を意味します。
中医学で「五労」は、見過ぎ、横たわり過ぎ、座り過ぎ、立ち過ぎ、歩き過ぎの5種類の過労を指します。≪黄帝内経 素問≫
長時間見ることは血を傷つけ、
長時間横たわることは気を傷つけ、
長時間座ることは筋肉を傷つけ、
長時間立つことは骨を傷つけ、
長時間歩くことは腱を傷つけます。
昨今、デスクワークなどで座りっぱなしは良くないのということが話題になりました。
また、健康のためにとたくさん歩き過ぎるのも体によくないのですね。
「七傷」は、「七情」のコラムでも書きましたが、
「七情」を傷つけるということです。
「七情」とは、東洋医学では怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の7つの情緒のことで、五臓と深い関係があります。
怒りすぎると肝臓を傷つけます。
喜びすぎると心臓を傷つけます。
思い悩みすぎると脾臓を傷つけます。
憂い(心配し)すぎると脾臓を傷つけます。
悲しみすぎると肺を傷つけます。
恐れすぎると腎臓を傷つけます。
驚きすぎると腎臓を傷つけます。
「五労七傷」は、人の身体が虚弱で病気が多いことを形容していて、生活習慣に全て関係しています。
もし、身体をよりよく保護されたいのでしたら、良い習慣を身につけなければならないとのことです。
春分
今日は春分です。
昼と夜の長さがほぼ同じになり、陰と陽のバランスが整う日です。この日から昼間の時間がだんだん長なり、夜が短くなっていきます。
スピリチュアルの世界では宇宙元旦として賑わっているようです。
中国健康時報によると、春は病気が多発する季節なので、普段は家でも窓をたくさん開けて、室内の空気を新鮮に保ち、十分な睡眠を確保するとよいそうです。
また、足三里、風池、迎香などのツボを毎日マッサージすることも病気予防の役割をします。
初春には、咽喉疾患が増加傾向にあるので、日本ではあまり馴染みがありませんが、桔梗菊花茶や玉蝶茶を飲むのもよいそうです。
また、春は野外活動を増やし、体を伸ばし、脳を目覚めさせ、春眠を改善します。
同時に、この節気は指先を揉むのに適しています。指の爪の両側は経絡の井穴(せいけつ)があり、揉んで経絡を疎通し、陰陽を調節するとよいです。
気功はもちろん、身体をストレッチしたり、ツボを刺激したりして、健康維持増進させましょう!
へそ
へそは生理学的にいっても人間の身体のシンボルですし、健身気功の練功でも重要な役割を担っています。
例えば、「易筋経」の≪三盤落地式≫で『晦』(ハイ)と発音して呼吸吐納(濁気を吐き、清い気を吸い込む)しますが、へそを中心に行います。
「八段錦」第三式≪調理脾胃需単挙≫で片手を上に、もう一方の片手を下に開いたり、お腹の前で両手を抱えて合わせたりするのもへそを中心とします。
「五禽戯」の≪熊運≫もへそを中心としてへその周りのお腹をマッサージするように両手を動かします。
「六字訣」は全ての動作がへそを核心として行います。本にも丹田では無く、へそと書いているのは場所が特定しやすいからだそうです。
また、健身気功の挨拶もへその上に両手を重ねてお辞儀をします。
このようにへそは健身気功の練功などにおいてもとても重要な役割と場所であることがわかります。
中医伝統理論によると胎児はへそで母体とつながっていますが、へその緒が切られた後、少しの真気(人体生命活動の最も基本的で核となるもの)がへそに残されます。
へそは、五臓の中の脾に属し、脾は太陰(大きな大きな陰)に分類されます。陰陽学説によると究極の陰である太陰のところには純粋な陽があります。最も冷たい、最も陰のところには最も陽である究極の陽の真気があります。
だから私たちはへそを気功の練功の核心とするのです。練功の重点とするだけでなく、他の身体の部位に比べて最も安全な場所でもあります。
例えば夏に身体の頑強な男性であっても午後昼寝をする時、へその上を何かで覆っていなければなりません。身体の他の部分は覆われていなくても、へその部分は冷たさが苦手なので、何かで覆います。ここは真気が蓄積されるからです。
私たちが気功を練習する時、意守丹田と言いますが、意守黄庭(黄庭 道教経典で脾臓のシンボル)と言ってもいいのです。いずれもへそのあるお腹の空洞のこの部分は身体の中心であり、気功の練習の中心、核心となるのです。
何気なく練功を行っていましたが、へそも奥が深いですね。
(WeChat 国際健身気功連合会 張明亮老師 健身気功小彩蛋参照)
邪気
YouTube動画まなびば~東洋医学~「邪正盛衰」で医療気功治療家の前田先生が必要な気、不要な気について述べられていたので、内容を参考に紹介させていただきたいと思います。
気には正気と邪気があります。
正気は日に日に歳とともに減っていき、邪気は増えていきます。
邪気によって病気がひきおこされ、邪気は100種類以上あるそうです。その中の幾つかをご紹介します。
【気毒】
気が正常でないと病気になります。
【血毒】
血が濁ったり、汚れ、血液が流れにくくなります。
お酒を飲みすぎたり、辛い物を食べ過ぎると血液の粘りがひどくなります。
【水毒】
リンパ液や筋肉内の循環の液、筋膜を支える液、細胞内の水分が濁ったり、流れが悪くなります。
水分の取り過ぎ、果物の食べ過ぎ、冷たいものを食べると水分過多になり、むくみが出ます。
≪風寒暑湿熱燥の邪気≫
【風邪】
強い風に当たるとリウマチ等が出たりします。
【寒邪】
水が冷たすぎると悪い刺激になり、冬に風邪をひきます。
【暑邪】
夏に暑すぎたり、熱症にあたり、下痢をおこしたり食欲を失い病気になります。
【湿邪】
湿気で身体が冷え病気になります。
薄着になり湿気で身体が冷えて侵襲刺激として身体に与えられてしまい、日本では6月に一番腰痛やぎっくり腰がおきるのだそうです。
【熱邪】
熱症にやられると下痢や食欲を失って病気になる。
【燥邪】
秋など汗をかき過ぎないようにします。乾燥すると胃液不足となります。
【食べ物の邪気】
正気を補うために必要なものですが、乳製品、辛い物など合わない人には邪気になってしまい、飲食で邪気を取り込むことがあるそうです。
早くわかる人は下痢、頭痛、肩こり、便秘など色々な症状が出てきます。このような副作用に気づかないでいると大きな病気を引き起こすこともあり、長期間にわたってどこかの臓器に負担をかけ続けると癌化したり慢性の病気で後戻りできにくくなるそうですので注意した方がよいですね。
【土地の邪気】
地球から出てきているマグマ、地中の岩石、土壌の構成要素によって出てくるエネルギーが違っていて、土地にあるエネルギー地場の邪気によって身体が曲がったり、調子が悪くなったり影響を及ぼします。
逆に住む環境を変える転地療法で皮膚炎、喘息など様々な病気が治ることもあります。
【想念の邪気】
生活の中で一番大きい邪気です。
「七情」(怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の七つの情緒)のブログ記事でも、それぞれの情緒は五臓と深く関係があるので、過ぎたる感情は臓器を傷つけ、よくないと記しました。
人を恨んだり、根拠の無いことに腹を立てたり、自分に怒ったりすると想念の邪気となり各臓器に疾患を起こします。女性では想念が持続してあったり、同じ思いを常に持って固まった想念があると乳がんが発生しやすいそうです。
これらの邪気のほかにも、太陽光線は正しい気、必要な気ですが、当たり過ぎて皮膚炎を起こすと邪気になります。
正しいエネルギ―であっても過剰は邪気となってしまうのですね。
だんだん減っていくので常に補充していかないといけない正気と増えていくので捨てていかないといけない邪気、正気と邪気のバランスが良い時、健康な状態なのです。
少し意識して生活すると良いかもしれませんね。
腹式呼吸と胸式呼吸
生徒さんから呼吸についてよく尋ねられます。鼻から吸って鼻か口から吐いて自然な感じで呼吸するとよいですよ、とお答えしています。
腹式呼吸についてもよく質問されます。
新生児は腹式呼吸なので原始的な呼吸法といえます。人は生まれつき腹式呼吸できるのですが、大人になると忘れてくるようですが大丈夫です。
初心者の方は、まず自然呼吸で気功を練功してください。功法の動作に慣れた後、徐々に「自然呼吸」から「腹式呼吸」に転換します。
息を吸う時、腹部が浮き上がり、息を吐く時、腹部が内に収まるのが順腹式呼吸、この逆が逆腹式呼吸です。
腹式呼吸は肺が縦に拡張し、横膈筋の昇降を促します。
胸式呼吸は主に肋間筋によって呼吸を駆動し、しばしば肺の上半分の肺泡(肺の内部にある0.3ミリほどの小さな半球状の多数の袋)だけが働き、中下肺葉の肺泡は効果的に運動できません。体の血液循環と新陳代謝に影響し、臓器の酸素需要を満たしません。
胸式呼吸は肩が上がり、肺は側面に拡張し、呼吸は浅くて短いです。
このため健身気功や導引養生功、太極拳で「沉肩坠肘」(肩の力を抜いて沈め、肘を自然に落とす)を強調し、腹式呼吸が適しています。
足を肩幅に開き少し下に沈み両手をお腹の上に重ね、腹式呼吸の練習してみてください。
息を吸ってお腹が膨らみ、息を吐いてお腹がへこむのが順腹式呼吸。
息を吸ってお腹がへこみ、息を吐いてお腹が膨らむのが逆腹式呼吸です。
どちらでも構いません。
腹部が突起する時、両手に少し力を入れて下圧すると、腹部の鼓動を感じられます。
初心者は毎分5-8回で、徐々に呼吸の間隔の時間を延長します。私たちの自律神経を調節し、血圧を下げることも期待できます。
息を吸い込む時、舌先を上顎の上部に軽く当て、肛門に持ち上げる意識で行い、息を吐く時、舌先が落ちて、お腹を緩めて肛門も緩めます。過程で唾液が生じた場合、ゆっくりと飲み込んでください。
練習者や体のニーズによって、呼吸方式、頻度、リズムも異なります。
第一の原則は、やはり快適さと自然に行うのがよいそうです。
腹式呼吸を練習し、養生の基礎を築きましょう!
(WeChat胡晓飞導引康養方参照)
立春
今日は二十四節気(太陽が地球を一周する日数を二十四等分し、それぞれの期間に名称を付けたもの)では立春に当たります。春の始まりであり、1年の始まりでもあります。
生き物が復活して育ったり、生れる時期です。
【初春の養生の3つの「早」】
1. 早めに日焼けを防ぎ保湿行う
日焼け止めは夏だけではなく、初春は基本的に強風と乾燥の二つの要因を集めていて、スキンケアが必要です。敏感肌の人は初春から日焼け止めをされた方がよいです。日焼け止め係数がSPF15前後の化粧品を選択さればいいそうです。乳液状や水状の日焼け止め製品を選択すれば紫外線を防ぎながら肌の水分を補充することができます。
2. 厚い服は早めに脱がないでください
「春は秋凍を覆う」と言われ、一度に服を脱ぎすぎると、気候変化に適応できず、風邪をひきやすいです。
3. 早起きと遅めに寝る
立春後、昼が長くなり夜が短くなるので、昼と夜の変化に応えるために、適当に「遅く寝て早起き」がよいそうです。
もちろん、遅く寝るほど良いわけではなく、11時より遅くならない方がよいということです。
また、初春はよく風が吹いて、唇が乾きやすいので、キュウリのキウイジュースをおすすめだそうです。
春は肝臓を養うと夏に病気になりにくくなります。
肝臓に問題があると目に症状が現れ紅くなったりします。
肝臓は脇に経絡が通っているので脇腹を伸ばしたりマッサージすると良いです。
ツボ押しですと、期門、章門、太衝を押されると良いです。
参考に健康づくりに取り入れてみて下さい。
(参照 中国健康時報、五運六気講座)
陰陽五行と色
生徒さんから通っている医療気功治療家の素晴らしい先生がYouTube動画をアップしましたと教えていただきました。
「まなびば~東洋医学~」とういうチャンネルで前田哲男先生が東洋医学についてわかりやすく詳しく説明されていました。興味深かったものや紹介したかった内容をブログに書かせていただきたいと思います。
古代の漢人は自分たちが世界の中心と思っていたそうです。あまりにも広すぎて外界を知らず、海があることすらも知らなかったそうです。でも漢字と言われるように中国の文化は漢人が中心につくってきました。
中国大陸の中心の漢人から見て、北はずっと暗い黒。東は緑豊かな肥沃な土地なので緑。西は砂漠がキラキラ白く光るので白。南はすごく暑く太陽が降り注ぐ赤。中心の漢人のところは土ばかりがある黄色。
このように東は緑、西は白、南は赤、、北は黒、中心は黄色と方位を理解していました。
私達の身体を創ってきたのは宇宙の力なので、これを人体にあてはめて理解しようとし、陰陽五行につながっていったそうです。真ん中の黄色の所の土を外に出して木火土金水の五行にしました。
数学では五角形のペンタゴンが最大、最高のエネルギーを保有していて、木火土金水にあてはめた漢人は素晴らしいと前田先生がおっしゃっていました。
五行 |
木 |
火 |
土 |
金 |
水 |
五方 |
東 |
南 |
中 |
西 |
北 |
五色 |
青 |
赤 |
黄 |
白 |
黒 |
肝 |
心 |
脾 |
肺 |
腎 |
色は必ず人間の身体の影響を出しているそうです。
腎臓は病気の色が黒で健康なものは本当はピンク系の桃色だそうです。
肺が病むと白くなります。
肝臓は緑、心臓は赤、脾臓は黄色ですが、私たちの身体の中に色が流れていると思ったらよいそうです。色とは波動で黄色なら経絡に黄色のエネルギ―が流れている、青(緑)色の波動が肝臓を主体にして流れているという感じです。
何となく色をあてはめたのではなく、このようないきさつがあったのですね。
このような説明を知ると陰陽五行も色も理解しやすいですね。
中国では2月1日から旧正月ですが、お正月を迎える前の1月30日に導引養生功創始者の張広徳老師がこの世を去られました。(享年87歳)
コロナが収束すればまた北京体育大学に行って張広徳老師から教えていただけると思っていましたので、本当に残念です。これからは先生から教わってきた多くのことを見直し再確認してもっと多くの方に普及していきたいと思います。