五臓と五液
中医学では
「肝」は泪(なみだ)、
「心」は汗、
「脾」は涎(よだれ)、
「肺」は涕(はなみず)、
「腎」は唾(だえき)に対応しています。
人体に異常があると五液にも影響が表れます。
泪は「肝」の液です。涙もろくなったり、涙がよく出るのは肝が弱っているかもしれません。「肝」の貯蔵している血液が不足すると涙も不足してドライアイになることもあるそうです。
汗は「心」の液です。運動していないのに汗が出るのは「心」にトラブルがあるかもしれません。暑いと身体の熱を冷ますために汗が出ます。健康な人の汗はサラサラしていて、ベタベタした汗は「心」の機能低下からかもしれません。
涎(よだれ)は「脾」の液です。よだれが良く出るようであれば「脾」に問題があるかもしれません。
涕(はなみず)は「肺」の液です。涕(はなみず)が多く出るのは鼻、すなわち呼吸でつながっている「肺」のトラブルかもしれません。
唾(だえき)は「腎」の液です。口に唾(だえき)がたくさん貯まるのは「腎」が弱っているかもしれません。
これらの五液はたくさん出ることもあれば不足していることもあり、どちらも体の不調から生じているかもしれませんので、このように五臓の失調も考えてみて下さい。
余談ですが涎(よだれ)と唾(だえき)はどちらも口の中に発生する唾液ですが、中医学の観点では、涎(よだれ)はより透明性があり、唾(だえき)より粘性があるそうです。パブロフの犬や酸っぱい梅を見ると出てくる唾液は「脾」の液の涎(よだれ)です。
赤龍撹海(せきりゅうかくかい)のように舌で口の中をかき回すと体内の水分が唾液線を通って上昇し、口の中に湧き出てくるのが「腎」の液の唾(だえき)いうことです。
調べてみるとおもしろいですね。