導引養生功「古導引八段錦」、健身気功「八段錦」の功法の最後第八式≪背後七顛百病消≫でかかと落としの動作を七回行います。
足を揃えて立ち、足首をくっつけて、頭の百会穴を上に引き上げるようにかかとを上げます。つま先は床をつかむようにします。そして、かかとを一旦ゆるめてから地面に落とします。いきなりかかとを落とすと振動が頭に強すぎるので注意します。かかとを落として振動があることにより、小脳を刺激します。
導引養生功の創始者である張広徳老師の「古導引八段錦」本によると、12経脈と奇経八脈を通して気血の流れを促し多種の慢性疾病の予防治療効果があります。
かかと落としは何故百病を取り除くのでしょうか?
かかとを上げ、落として振動が起こるので腎経脈の湧泉穴に良い刺激を与え、全身の経脈を通して気血を巡らせ、五臓六腑の効能を高め、多種の慢性疾病の予防治療の効果が得られるのです。
さらに足のつま先は脳の反射区で、かかとは卵巣、睾丸など生殖系統の反射区です。かかとを上げる時はつま先を圧迫するので、脳の反射区に刺激を与えます。
かかとが地面に下りて振動がおこりますが、この時生殖系統反射区を刺激します。このように神経系統から全身の臓器が正しい位置に戻されて鍛錬され、多種の疾病を予防治療することとなるのです。
健身気功「八段錦」の本によると、つま先は足三陰、足三陽の経絡の交わるところなので、足の10本の指が床をつかむことによって足の経脈を刺激して臓腑の効能を調節します。
同時にかかとを落とすことによって脊柱と督脈を刺激し、臓腑の経絡の気血を通し陰陽のバランスを良くします。
又、ふくらはぎの筋肉を鍛え、足底の肉や靭帯を伸ばし、バランス力を高めるのです。かかと落としによる振動によって足、脊柱の関節を軽く刺激し、全身の筋肉を緩め緊張を解くのです。
かかと落としは骨粗鬆症予防や血糖値・血圧が下がるなどの効果もあるそうです。
このように簡単にどこでも行えて様々な良い効果があるので、是非、生活に取り入れてほしいです。