七情
導引養生功や健身気功の八段錦に「五労七傷望後瞧」とういう動作がありますが、七傷とは「七情」を傷つけるということです。
「七情」とは、東洋医学では怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の7つの情緒のことです。五
臓と深い関係があります。また気の動きにも関係があります。
怒りすぎると気が上に昇り、肝臓を傷つけます。逆に肝臓機能が失調すると、怒りやすくなります。
喜びすぎると、気が緩み、心臓を傷つけます。
思い悩みすぎると脾臓を傷つけます。
逆に脾臓機能が失調すると思い悩むようになります。
憂い(心配し)すぎると気を停滞させ、脾臓を傷つけます。
悲しみすぎると気が消耗して肺を傷つけます。
逆に肺の機能が失調すると悲しみやすいいという感情になります。
恐れすぎると気を下降させ、腎臓を傷つけます。
怖がり過ぎて失禁するというのは、腎の気を下降させるからだそうです。逆に腎の機能が失調すると些細なことで恐れたりします。
驚きすぎると気が乱れ、腎臓を傷つけます。
八段錦の「五労七傷望後瞧」で首を後ろ側に廻し、首の第七頸椎の下のくぼみにある大椎穴を刺激することによって「五労七傷」をコントロールするのです。(ちなみに「五労」とは中国医学の術語で心労、肝労、脾労、肺労、腎労のことです。)
何事も過ぎたるはよろしくないのですね。八段錦を行う時はこのことを思い出したいと思います。